時代は、昭和から平成あたり。短編八編、それぞれが、主人公達の過去から今を切なく描きだします。
彼らは、朧げながらも、仕事に夢を持ち、幸せな家庭を築き、穏やかな日常がある人生を願っていた、ごく普通の人達。そして、そんなささやかな願望も、一生継続するのは、案外難しいのです。
人生も半ばが過ぎて、彼らは、過去を振り返る。
そこには、幸せなひとときも、取り返せない不調和もある。
月の上の観覧車は、既視感がある作品かなと思いますが、最期の夢として素敵です。
少し時空のずれた自分のパラレルとも思える作品もありました。主人公は、男性が多いのですが、残りの半生の生き方に女性の強が多いかなと思いました。そして、たぶん、現実もそうかな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新潮文庫
- 感想投稿日 : 2023年3月1日
- 読了日 : 2023年3月1日
- 本棚登録日 : 2023年3月1日
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