4TEEN (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2005年11月26日発売)
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本棚登録 : 10650
感想 : 973
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重松さんや瀬尾さんの正攻法の優しさは、周期的に読みたくなります。4TEENでは、中2の14歳の少年達のちょっとアクロバティックな友情とか思いやりに、心掴まれた感じです。
銀座にも渋谷にも行けるけど、舞台はホームの月島。彼らのホームを自転車で滑走する。確かな都会の少年達の友情がどこか昭和を思わせる。「マジすぎるのはカッコ悪い」そこの一線は譲れない14歳。風俗とか出会い系とか危ない経験も積むのだけれど、少年のような軽やかな文章でそこも青春ストーリーに収めてしまう。「びっくりプレゼント」では早老症の少年を「空色自転車」では、DVの父親を放置して死なせてしまった少年をと、各章主題は重め。そこを作者自身がマジすぎるのはカッコ悪いを貫き、軽快な直木賞。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 直木賞
感想投稿日 : 2022年12月22日
読了日 : 2022年12月22日
本棚登録日 : 2022年12月22日

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