外科室

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  • 2012年9月27日発売
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感想 : 38
4

1895年泉鏡花 出世作

上 で、手術室の場景が描かれる。美しいであろう伯爵夫人が、手術にあたり、麻酔を頑なに拒む。遂に、麻酔をせず、執刀が始まる。彼女は、昏睡の中での、うわ言を恐れていたのだ。
医師のメスを、自らの胸に突き、最期に秘密を囁く。医師も彼女を追う様に死す。

下 で、夫人と医師が若かりし頃、すれ違い、互いに、その一瞬で惹かれあっていた過去が描かれる。
ちょっと唐突な流れで、戸惑った。

米澤氏の『儚い羊たちの祝宴』の「身内に不幸がありまして」の作中に出てきて、寄り道読書。
今回は、“うわ言”がポイントでしょうか。

外科室という題名でも、空想が膨らむ。手術台の上の伯爵夫人が、きっぱりと美しい。気丈な彼女の儚い想い。当時としては、サディスティックな表現部分もあり、記憶に残る。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典
感想投稿日 : 2022年2月4日
読了日 : 2022年2月4日
本棚登録日 : 2022年2月4日

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