うる波は交通事故で死んだはずの夫鹿野くんと一緒に暮らしている。
毎日二人分の夕飯を作り、鹿野くんと会話を交わす、ありふれた日常が続いている。
うる波の心の中とは別の外の現実の世界、例えば家庭教師のアルバイト先の小学生や、絵画教室に通ってくる大学生や、うる波が非常勤講師を勤める高校生たちも、同じようにそれぞれの秘密を抱えている。
秘密のない人なんていない。
人間なんてみんな不完全で、さびしくて、「常識」という小さな枠に立ち向かって生きている。
人を愛するってこんなにも悲しくてやるせないものなのかと思うと、涙が溢れてくる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年1月24日
- 読了日 : 2021年1月24日
- 本棚登録日 : 2021年1月24日
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