偶像の黄昏・アンチクリスト (イデー選書)

  • 白水社 (1991年3月1日発売)
3.93
  • (5)
  • (4)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 53
感想 : 4
4

何周もすることでやっと理解が深まってきた。こういう作業は本当に楽しい。しかし、「アンチクリスト」におけるニーチェの、イエスに対するほとんど盲目的な愛、「真なる」福音といった箇所は、一体どう理解すればいいのか。やはり、ニーチェ哲学は一人のキリスト教者によるキリスト教への内部告発に「過ぎぬ」のではないか。それは自己批判・自己超克という相貌を帯びる限り、極めて美しい芸術作品であるとともに、あらゆる既成の価値から完全に自由となった精神による批判にはなり得ない代物なのではないか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月7日
読了日 : 2022年6月7日
本棚登録日 : 2021年12月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする