何周もすることでやっと理解が深まってきた。こういう作業は本当に楽しい。しかし、「アンチクリスト」におけるニーチェの、イエスに対するほとんど盲目的な愛、「真なる」福音といった箇所は、一体どう理解すればいいのか。やはり、ニーチェ哲学は一人のキリスト教者によるキリスト教への内部告発に「過ぎぬ」のではないか。それは自己批判・自己超克という相貌を帯びる限り、極めて美しい芸術作品であるとともに、あらゆる既成の価値から完全に自由となった精神による批判にはなり得ない代物なのではないか。
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- 感想投稿日 : 2022年6月7日
- 読了日 : 2022年6月7日
- 本棚登録日 : 2021年12月21日
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