具体と抽象

著者 :
  • dZERO(インプレス) (2014年12月1日発売)
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めちゃくちゃ参考になった本でした!
抽象と具体とは何か?から始まって、日常やビジネス上での出来事がどう抽象・具体の関係になっているのかやそれぞれの特徴を説明している。
例えば上司とのやりとりでよく起こるコミュニケーション齟齬を抽象・具体で説明していて非常に参考になった。
大事なのは抽象的なことを考えられるようになることではなく、抽象と具体をそれぞれの特徴に応じて使い分けること。

なるほどなーと思ったのは以下項目。
・抽象とは、名詞というか、物事のみではなく関係性や構造も表現していること。反意語や部分集合という概念は、個別のものたちの関係性を抽象化させたもの。
・上司(や同僚)と話が噛み合わない場合、抽象度が一致していないことが多い。上司はより抽象度の高い、上位の目標を見ていて、自分は下流のものを見ている。
・「顧客の声を聞け」「顧客の声を聞くな」という、正反対のアドバイスがあるが、実は言いたいことは一致してる。「顧客の声を聞くな」というアドバイスも実は「顕在化していない顧客のニーズを掴む」ことをしているので、顧客の求めるものを追求すること自体はどちらも同じ。「顧客の声を聞くな」というのは抽象度の高い顧客の声を反映させている。
・部下に指示出しをする際は、相手が好む自由度の高さを意識する。
・仕事のフェーズにおいて抽象・具体の度合いの判断が必要になる。上流の仕事の場合は抽象度高く・少人数・多数決では決めない。下流の仕事の場合は具体度高く・分業可能・効率重視・多数決
・誰にとって?という目線によって抽象・具体の判断は変わる。
・抽象レベルのモノマネをすること。具体レベルのモノマネはパクリになってしまう。
・抽象化力を高めるには、さまざまな経験で得た情報の整理・構造化・要約を行う。かつそれをさまざまな抽象レベルで行う(1分、3分、30分で話す)
・ルールや理論の作られ方
具体→抽象の順番。だが、抽象の一人歩き(ルールが絶対化してしまう)や、具体の一人歩き(下された目標数値が絶対的なものになってしまう)が起こる。
・計画と行動について
長期的なものは抽象的な目標、短期的な手段や行動は具体的なレベルで策定すると良い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年5月5日
読了日 : 2023年5月5日
本棚登録日 : 2023年5月5日

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