ソ連については教科書以上の予備知識はあまりなかったので、当時フランスでソ連の信奉者が知識人の中にも多くいたのには驚いた。あとがきにもあるように、「歴史が証明した」後に私は生まれたから。
旅行記と聞いて想像した内容とは違って、ほぼソ連への批判文だった。最初こそはソ連への希望的観測を捨てきれていないようだったけれど。
全体として真実を見つめ誠実であろうとするジッドの姿勢にはとても好感が持てた。ジッドがソ連を訪れたのは66歳だったという。作家としても成熟した年齢になっても、自分の想像と現実が違ったときには過ちを認められる柔軟さや誠実さを持ち続けていることに尊敬。
現代でも全体主義的な脅威はいまだ存在しており、その脅威はこれからより一層大きくなるように思われる。ソ連時代の本では歩けれど、現代にも通ずるメッセージを持っていると感じた。
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- 感想投稿日 : 2020年1月14日
- 読了日 : 2020年1月14日
- 本棚登録日 : 2020年1月11日
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