実況・近代建築史講義

  • インスクリプト (2020年11月26日発売)
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引用。

モダニズム建築はいつ本格的に始まったと考えるべきなのでしょうか。それは第一次世界大戦(1914-1918)終結後の廃墟からなのだと考えるとしっくりきます。モダニズム建築の誕生の背景には、西洋建築が互いに爆撃し合って、物質的にも精神的にも空虚が生まれたこと、タブラ・ラサが起こってしまったことがあります。

モダニズム建築の到来を告げたル・コルビュジエの〈ドミノ・システム〉(1914)が、実は大戦で被災した地区の復興住宅、つまりバラック建設のために提案されたことはその意味で極めて重要でしょう。

アメリカとソ連の宇宙関係のデザインを比較すると、明らかにその思想が異なります。アメリカは流線型を採用しています。
一方、ソ連の宇宙船を見てみましょう。それはまるでメカニックな蛸、もしくは串団子のようです。実はこれは構成主義の残滓なのではないでしょうか。

マーガレット・フラー
トランセンデンタリズム(超絶主義)
オルコット、エマーソン
自然や人間自身に神性が内在すると強調し、個人の独立と精神の修養を重んじていました。

ここで注目したいのは、川添が《国会議事堂》を墓場と表現しているところです。
実は《国会議事堂》の特徴ある上層部、いわゆる階段ピラミッドであるジクラットのモチーフの起源は「墓」だったのです。これは建築史家の鈴木博之が主張したことなのですが、議事堂のジクラットは、古代エジプトの墓であるマウソレウムの形式を様式として採用したものなのだそうです。

当時の建築雑誌を見ると面白いのですが、丹下健三が建物を発表すると、それを模した建物がその後に数多く発表されます。彼の建築は典型力が強く、またわかりやすかったので、一気に広まったのです。とりわけ《香川県庁舎》の手法はとてもわかりやすいため、九段下や丸の内などのオフィスビルでいくつか似たような形の建築が建てられました。

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感想投稿日 : 2021年5月26日
読了日 : 2021年4月16日
本棚登録日 : 2021年5月26日

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