音楽を明け透けに癒しとして求めることの気色悪さ、ひたすら消費されていくことのしょうもなさへの苛立ちには共感できる。
では、ちゃんと音楽を聴くということに対して、隅々まで、映像的に、ピントを合わせてという説明は分かるような分からんような。
癒し系への批判が、音楽を聴くことにおいて感情を介すること全般の否定にまで、拡張してしまっているように思える。
癒し系の記号的な反応ではなく、単なる悲しいとか、嬉しいとかではない音楽にしか伝えられない感情を旋律から聴き取ることも音楽を聴くことだと思う。モーツァルトを聴いていた長嶋茂雄が語った、音楽の二重性で触れたところだが、ここの話をもっと聞きたいと思った。
ピントを合わせ構造的に理解して、作者のメッセージを読み取ることは、、そのように音楽を楽しみたいと思うが、この本の説明だけでは実際難しいなと感じた。
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- 感想投稿日 : 2021年3月13日
- 読了日 : 2021年3月13日
- 本棚登録日 : 2021年3月13日
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