鏡の背面

著者 :
  • 集英社 (2018年7月26日発売)
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本棚登録 : 658
感想 : 101
3

★3.5
500ページを超える長編で、読み応えはあるものの疲れる1冊だった。シェルターと入居者の実情、フィリピン貧困層の現実、火災で亡くなった聖母のような先生の裏側。視点のひとりとなる優紀を始め、入居者たちが精神的に不安定で、恐怖と不安が伝染していく様を見るのが何とも辛い。特にオカルト要素が出てきた時は、本書自体がどこに向かうのかとこちら側も心配になった。そんな女性ばかりの中、柄は悪くも真っ当な長島の存在が救い。そして、問題の半田明美。彼女はいわゆる毒婦だけれど、自我が崩壊していく彼女は恐ろしく悲しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  さ行
感想投稿日 : 2019年12月8日
読了日 : 2019年12月7日
本棚登録日 : 2019年12月8日

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