以前から様々なところで紹介されているのを見て気になっていた本書、デヴィッド・ボウイの愛読書100冊にもリストアップされているのを見て、読んでみることにしました。
主人公・オスカー、彼の姉、母親、そして祖父…彼ら一族の人生を描いた物語。
ドミニカの政治や歴史、猥雑さ、オスカーの愛するSFやファンタジーや日本のアニメ、濃厚なカリブ海の空気、支配、苦痛、そしてフクという名の呪い…。
あらゆるものを、巨大な手でぐぅっと束にして練り上げたような、密度と情報量に圧倒されました。
痛々しくて顔をしかめてしまうような場面もあるのに、雑多なものの中から立ち上がってくる、主人公やその家族たちの凄まじいパワーや純粋な部分から目が離せないのです。
ドミニカという国についても、アニメやSFについてもよく知らないけれど、著者による膨大な注釈と物語そのものや登場人物たちのエネルギーに引っぱられて読了。
読み終えたときの疲労感と満足感にしばし、茫然としたのでした。
読書状況:読み終わった
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読みました。
- 感想投稿日 : 2020年8月8日
- 読了日 : 2020年6月14日
- 本棚登録日 : 2020年8月8日
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