舞台はマッドガイド・ウォーターという名の小さな沼地、語り手はこの沼地の近くにある寄宿学校の先生です。
マッドガイド・ウォーターにボートを浮かべ、本を読んでいた彼女が偶然出会ったのは、今まで見たこともない小さな生き物でした。
ふわふわの毛に包まれた体、でも顔の部分は毛がなくて、もぐらかネズミのような長めの鼻面をしているクーイ族の男の子・ヤービ。
好奇心旺盛で素直なヤービは、ずっと見ていたくなる、気持ちのよい子だなぁと思いました。
ヤービの周りは楽しいこともあるけれど、心配なこともいくつかあるようです。
この先続いていく物語の中でヤービたちがどのように成長していくのか、見守っていきたいと思います。
挿絵と文章の優しさが絶妙にマッチしていて、古きよき児童文学を読んでいるような気持ちになりました。
ボート、沼地、岸辺の動植物にふしぎな生き物…などなど、梨木さんの好きなものが凝縮されたような物語で、きっとものすごく思い入れのある作品なのだろうと思います。
身近な自然の中にも生命の循環が営まれていること、そして私もその一部であることを、改めて思い出させてくれました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
児童書読みました。
- 感想投稿日 : 2015年11月14日
- 読了日 : 2015年11月7日
- 本棚登録日 : 2015年11月14日
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