読書家を名乗っている割に、自分が綿矢りさを初めて読んだのは2018年のこと。だいぶ遅い。
初めて手に取ったのが「勝手にふるえてろ」。これは面白かった。映画化されたけど、そちらも良かった。
それから「かわいそうだね」。文句なしに星5つ。夢中になれて一気に駆け抜けるような読書体験。
たった2冊しか読んだことが無いけど、自分の中で綿矢りさの評価は高かった。
しかしこの「私をくいとめて」。申し訳ないけど「ふつう」の一言に尽きる。
事前の期待時が高すぎた。こじらせ系の女子の揺れる心を描く…かと思いきや、大した問題は起きず物語はスムーズに進んでいく…。
多田くんとの恋は予定調和のごとく進展していく。それに伴い、「もう1人の自分」であるAとの距離は開いていき、その存在感は限界まで逓減された。
確固たる現実の人間とのつながりを得て、自己幻想的な世界にお別れを告げるという。そういう構造だと思うのだけど、あまりにもシンプルであまりにも薄味。
ちょっと凡庸すぎた…という感想になってしまう。あと、途中に挿入されるカフェでの人間観察的なシーンがちょっと露悪的すぎるかな…w
これ、映画もコケるんじゃないかなぁ…という余計な心配が湧く。
(書評ブログの方も宜しくお願いします)
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- 感想投稿日 : 2020年6月27日
- 読了日 : 2020年6月27日
- 本棚登録日 : 2020年6月2日
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