誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

  • 新曜社 (2015年4月23日発売)
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本棚登録 : 2002
感想 : 74
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扱うテーマはまず、デザインそのものについて。良いデザイン、悪いデザインについて説かれる。

「アフォーダンス、シグニファイア、制約、対応づけ、フィードバック」のテクニックを概念を利用して、発見可能性を高めてやる。

良いデザインとは人間のためのデザイン。そのために本書は人間の性質について論じる。記憶、得手不得手、取り巻く環境など。

それから、実際にデザインプロセスについても書かれる。開発・製造の現場では、デザイナは様々なステークホルダーと協業することになる。 その中での立ち居振る舞いについて書かれているのは、実際的で良かった。

また、自分が日頃接しているものについて、改めてそのあるべき姿が言語化されているのも面白い。 「リマンイダー」はシグナルとメッセージの2つの性質を持つ、など。

事前に予測してはいたが、概念的な本だった。具体的なデザインのテクニックもさることながら、理論的な部分もあり、面白く読んだ。

学習的な面だけではなく、読み物としても面白い。デザイナはもちろんのこと、他業種の人間が読んでも学びのある1冊だと思う。

(書評ブログもよろしくお願いします)
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E8%89%AF%E3%81%84%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AF%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3_%E8%AA%B0%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 実用書
感想投稿日 : 2020年12月18日
読了日 : 2020年12月26日
本棚登録日 : 2020年11月26日

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