浜尾先生の衆道趣味の香る短編ときいて。
かつての「兄」が検察にいると思い出し、獄中から己の罪について手紙で告白する主人公。
自分がこんな殺人罪などという畜生道に落ちたのは、そもそもお前に愛されたからだという恨み節と、とにかく話を聞いてくれという必死さ(と愛情の残り火?)と、犯し損ねた犯罪の動機が身勝手極まりないこと(このあたりのねっとりしたSM気配は作者的に得手だったのか気になる)などのおかげで、悲劇に終わった殺人計画よりも、この手紙を送りつけられる「兄」その人の存在が浮き彫りになり、どういう人間なのかが気になって仕方がなくなる一遍。
いろいろ妄想がはかどります。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年12月15日
- 読了日 : 2016年12月14日
- 本棚登録日 : 2016年12月14日
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