「危険な場所ほど、美味しいものがある。」
帯にそんな言葉が躍るこのシリーズは、原作者にして釣り人である青木潤太朗が体験した危険地域グルメの思い出をつづったグルメ漫画である。
釣りを通じて知り合った外国の友人を伝手に、時にメキシコに、時にアメリカはシカゴに、時にはブラジルに……といった感じで様々な国(の身の危険を感じる地域)を訪問し、そこの名物を食べている。
どれも実に美味しそうなものばかりで、日本では見かけないものばかりだ。
そうしたドキュメント的内容であるが、作中では基本的に美少女しか登場しない。
原作者の言い分によると
>――私の脳は
>長年に亘る二次元の過剰摂取で壊れてしまっている
>だから私の五感を通して観測するこの世界には基本的に美少女しかいない(P.12-13より引用)
だそうだが、読者としてはこれをどう受け取るかはなかなか難解である。(笑)
ただ、漫画として見れば、可愛らしい絵柄で美味しそうなグルメを読める構図に落とし込まれていて、楽しく読め、かつ刺激的でもある作品になっている。
垣間見えるシリアスさとは裏腹に、この作品のグルメはどれも本当に美味しそうだ。そこが良い。
例えば描き下ろしで描かれた、アメリカでは一般的な「ブレックファスト・バーガー」などは日本でも十分受け入れられるメニューだろう。
というか、普通に美味しそうなんで、各ハンバーガーチェーンの開発担当の方はぜひともご検討ください。食べるんで。
漫画の構造の上手さ、知らない世界を知れるワクワクとスリル、グルメ漫画として必要不可欠な「美味しそう」。
どれをとっても文句なしの一巻である。
文句なしに星五つ。なんなら星評価ぶち抜きで星八つほど付けたいシリーズである。
ただただ面白かった。
- 感想投稿日 : 2022年3月4日
- 読了日 : 2022年2月22日
- 本棚登録日 : 2022年3月4日
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