■1.自分の指導下にある人たちに敬意を払う
指導者の最も基本的な条件は、自分の指導下にある人たちの尊敬を得ることである。それには、みずからがまず彼らに敬意を示すことだ。
あなたはまず、自分の指導下にある人たちは、あなたのために働いているのではなく、あなたといっしょに働いているのだということをしかと肝に銘じておく必要がある。あなたとあなたの部下は、共通の目標によって結ばれているのだ。(中略)
指導者は、自分の指導下にある人たちに敬意を抱かなければならない。敬意とは愛の一種である。指導者が彼らに敬意を抱けば、彼らは指導者から頼まれたことをするものだ。
■2.恐怖心ではなく誇りで人を動かす
恐怖心をあおれば、短期的には人びとに何かをやらせることができるかもしれない。しかし、長期的な視点から見ると、人びとにやる気を起こさせるには、誇りを持たせるほうがずっと効果的だと私は確信している。そのほうが、ずっと長い期間にわたってはるかによい結果が得られるのだ。
誇りを持っている人物か、罰を恐れている人物か、私ならどっちの人物といっしょに仕事をするだろう。私にとって、それは簡単な選択だ。
相手に敬意を示してはじめて相手は誇りを持つ。このことを忘れてはいけない。
■3.平等ではなく公平に扱う
公平さとは、誰に対してもその人に値する接し方で接することだ。といっても、誰に対しても同じように接するという意味ではない。それはむしろ不公平である。すべての人が同じ接し方に値するのではないのだから。
以上の理由から、私はすべての選手を同じように扱いはしなかった。意外に思うかもしれないが、そうすることによってチームワークが向上した。ほとんどどの選手も自分が公平に扱われていること、自分に値する扱い方をされていることを感じとっていたからだ。その結果、彼らはより一層努力するようになった。
これはスポーツにも人生にも当てはまる。
■4.批判にも称賛にも惑わされない
この指導の原点は,私の父の教えにある。父はよく、「自分がどうにもできないことに惑わされると、自分がどうにかできることに悪影響を及ぼす」と言っていた。
外部の人たちからの批判や称賛は自分ではほとんどどうしようもない。だから、それらはすべて差し引いて受けとる必要がある。
他人の意見に惑わされるのは、対戦相手にまかせておこう。自分が惑わされてはいけない。
■5.最善の努力をする限り、それは失敗ではない
私は数多くの間違いを犯してきたが、失敗を犯したことは一度もない。全米学生選手権に毎年優勝することはなかったし、試合には何度も負けている。しかし、失敗を犯したことはない。
自分にできる限りのことをしたと確信できるなら、決して失敗ではない。私はべストを尽くした。それが私にできるすべてだった。
あなたはこれから間違いを犯すだろうか? 当然だろう。しかし、最善の努力をする限り、それは失敗ではない。
■6.成し遂げられたはずのことを基準に自分を測る
実際に成し遂げたことで人を測ってはいけない。それぞれが自身の能力を駆使すれば成し遂げられたはずのことを基準にすべきだ。能力をいかんなく発揮して最善を尽くすために努力する。それ以上のことができる人がいるだろうか?
■7.目標を達成したあとに真価が問われる
人はいったん目標を達成すると、安易な気持ちで手を抜き、気をゆるめ、準備をろくにしなくても自動的に成功をおさめられると考える。しかし、大切なのは、頂点にたどり着いたあとなのだ。それまでと同じくらいか、それ以上に一生懸命に努力しつづけるには、真の人格が必要になる。
何度も何度も勝ちつづけるスポーツ選手やチームは、能力以上に人格が優れている。
明日は、今日よりもさらにやらなければならないことが多い。昨日いくらか成功したからといって、そこに安住していると、必ず失敗が待ち受けている。明日は再び、今まで以上に懸命に努力しなければならない。
【感想】
◆冒頭の土井さんのメルマガでも書かれているように、私も本書の著者であるウッデン氏のことを知ったのは、この本によってでした。
成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール
成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール
参考記事:これは凄い! 『成功する練習の法則』を便利にする8つのツール(2013年07月22日)
上記の参考記事でも、ウッデン氏の練習方法をいくつか取り上げていますが、本当にこの本には、氏が何度も登場しております。
そしてこの本の内容に照らし合わせてみても、氏のスタイルは理に適ったものであるということ。
ただし私もこの本は読んだものの、当時すでに結構なプレミア(確か)が付いていた本書の前版を買おうとまでは思いませんでした。
- 感想投稿日 : 2014年2月3日
- 本棚登録日 : 2014年2月3日
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