「英国一家日本を食べる」の著者としてしられる著者の本は翻訳されているものは全て読んでいます。
現在、朝日新聞でも主に食に関するエッセーを連載しています。最初の頃は異文化体験をした驚きを綴る文章がおおかったのですが、インドにヨガ修行にいったり、居住地をデンマークにうつしてからら何がよい人生かを探求するように変わって来たように思われます。
そして最新刊は、日中韓が仲良くできないのはなぜかという疑問を携えて、この3カ国を旅しながら考えたエッセイとなっています。
日本ではペリー来航の地、久里浜や極右ユーチューバーや嫌韓本の著者と会い、日本における嫌韓、嫌中国の芽を取材します。また韓国にいってはさまざまな人に取材し、韓国には嫌日本という同調圧力があることを明らかにしていきます。従軍慰安婦についても取材しており、積極的です。日本滞在が長いので日本人的なものの見方になっってしまうのは仕方ないでしょう。日本が韓国にしたことはイギリスがアイスランドや印度にしたことより少しましという意見もありますが、被害を受けた方からしたら程度の問題より、被害を受けたことを忘れられないということでしょう。実際何があったかより、忘れないようにすることが政治の道具となっていることが問題のような気がしました。
一方、中國でも日本軍の悪行についての記録する博物館などがあり、中でも南京大虐殺についてはこれからも両国にとって大事な出来事でしょう。一部の人が南京大虐殺がなかったあるいは小規模であったというのは残念です。先日、原爆はなぜ悪ではないのかとく本をよみましたが、その中で人がものごとを理解するためには理解できるストーリー(語り)が重要との話がありました。
例えば、韓国には日本人が近代化を進めたというストーリーを理解する素地がなく、中国には共産党のおかげて私たちがあるというストーリーしかないのです。
そのなかで軍国主義の日本がそれぞれ悪者として役割りをになっているということでしょう。
過去は変えられないのだから、対話が大事ということでしょう。
- 感想投稿日 : 2021年1月5日
- 読了日 : 2020年12月30日
- 本棚登録日 : 2021年1月5日
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