人を見た目で判断してはいけない。
一見、陽気な人も、上品で楚々とした人も、粋でいなせな人だって、他人には言えない面妖な闇を抱えているかもしれないのだから。
その人が長年抱く闇の重みは誰であろうと計り知れない。
全てに蓋をして無かったことにしてしまいたい。
けれど闇の重石に耐えきれず黒白の間へやって来て、静かに、時に涙しながら語り捨てる。
理不尽な目に合う語り手達の苦しみ悔しさに泣けた。
けれど、長年抱いていた暗い過去を全て語り尽くし、さっぱりとして帰っていく語り手の後ろ姿を見送るのはやっぱりいいものだ。
人気シリーズ第6弾。
おちかの後を継いだ富次郎が今回から聞き手に回る。
まだちょっと頼りない富次郎だけれど、手探りながらも相手の話を真摯に受け止める姿に好感を持った。
そして守り役のお勝と何かと気が利くおしまの二人が富次郎をバックアップして頼りになる。
例え相手が化け物であってもそれも一期一会…と言うけれど、出来れば私は逢いたくない。
何はともあれ、新婚のおちかが幸せそうで何よりだった。
三島屋新生トリオが贈る第7弾も今からとっても楽しみ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
宮部みゆき
- 感想投稿日 : 2020年1月13日
- 読了日 : 2020年1月12日
- 本棚登録日 : 2020年1月11日
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