ゆゆのつづき

著者 :
  • 理論社 (2019年10月16日発売)
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本棚登録 : 157
感想 : 21
5

由々、57歳。
一人息子も巣立ち夫とは程よい距離感を保ち、翻訳の仕事もマイペースに続けている。
何事も順調に進む彼女が、11歳の頃の自分"ゆゆ"と向き合うことから始まる物語。

人生も半ばを過ぎ、特に不自由なことはないけれど、ふと立ち止まり過去の自分と対峙する。
訳もなく不安になったり物足りない気持ちに駆られたり。
遠い日の記憶の中に迷い混み、いつの間にか絡め取られたり。
控え目で節度をもったモデラートの人生を歩んできた由々にとって、ざわざわした気持ちを持たせる一時は、自分らしさを取り戻せた瞬間。
人生は楽しいことばかりではない。
失敗したり傷ついたりしたことも、その時は辛くても長い目で見れば、そこにしかない良さに気づかされることもある。
そんな清々しい気持ちになれた物語だった。

高楼さんの作品は『十一月の扉』以来。
今回は大人の女性に向けてエールを貰えた物語。読めて良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年12月22日
読了日 : 2019年12月22日
本棚登録日 : 2019年12月21日

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コメント 2件

やまさんのコメント
2020/01/11

mofuさん
おはようございます。
いつも、いいね!有難う御座います。
本のタイトルに惹かれました。
いいレビューですね。
「そこにしかない良さに気づかされることもある」と言うくだりはそうだなと思います。
やま

mofuさんのコメント
2020/01/11

やまさん、おはようございます。
こちらこそ、いつもいいね!をありがとうございます。

私もこの作品のタイトルに惹かれて手にとりました。
素敵な文章がたくさんあって、読んで良かった、と思えた作品です(*^^*)

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