ヌれ手にアワ (祥伝社文庫 ふ 7-3)

著者 :
  • 祥伝社 (2013年6月12日発売)
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感想 : 3

これもスラップスティックと言えるのかどうか…。微妙なところではありますが、個人的にはこのドタバタぶり、嫌いじゃありません。むしろ大好きです。
山手線・京浜東北線が完全にストップ、しかもその原因が闘牛の逃走だというとんでもない開幕。たまたま助けた老人に宝のある場所を教えられたフリーターにギャル、その宝を狙う老人の家族と会社の関係者、偶然話を漏れ聞いた夫婦に政治家の卵…それぞれがそれぞれの思惑と焦りと知恵を元に宝の場所を目指します。この思惑一つとっても、ただ冒険を楽しみたい、宝を手にいれたい、とにかく金になればいい、など、まぁ嬉しくなるくらい皆さん欲望に忠実。必死さも違うし、となると冷静さも違うし、選ぶ交通手段も違う。途中で出会ったり、離れたり、利用したり。ジェットコースターほどぶんぶん振り回されてる感じがしないのは所々にでてくる「あり得ない!」な展開のお陰でしょうか。過剰になりかける熱を適度に冷ましてくれます。
いやー…しかし東京って広いですね。この鬼ごっこ、全て都内だもんね。普段「東京」と認識している場所がいかに狭いか、思い知らされました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内小説
感想投稿日 : 2014年3月8日
読了日 : 2014年3月8日
本棚登録日 : 2014年3月8日

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