太宰治、夏目漱石といった文豪たちが残した悪口集。書簡や周りの人の残した記録、日記などに残っているもので、同じ小説家の対するものから、家族などへのものも含まれる。
ちょっとわかりにくいものがあるが、永井荷風が、日記で事あるごとに菊池寛を嫌っていたり、夏目漱石の負けず嫌いな感じを芥川龍之介が書いたりと、人間性が見えてくる。谷崎潤一郎と佐藤春夫の話は、聞いたことはあったが実施の書簡で読むと、まじめに悩まれている上とは、わかるが何だかなぁと言う感じがしてしまう。
太宰治や織田作之助から志賀直哉のようなベテランへの憤りもあれば、永井荷風から菊池寛の最初は、永井荷風が菊池を菊地と間違えたことを雑誌で批判した事だったりと事由も千差万別でわかるものもあれば、そこまでと怒るのかと思うのもある。
ちょっとおもしろかったのは、永井荷風の日記に出てくる菊池寛の話。飲み屋の女給の人気投票で、ビール一本買うごとに一票入れられる仕組みで、菊池寛が投票するために150本購入したとの話。昔からこう言う商法はあったんですね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2023年9月10日
- 読了日 : 2023年9月2日
- 本棚登録日 : 2023年9月3日
みんなの感想をみる