内容的には王道とも言えるミステリ。
地元で有名な小学5年生の美少女が豪雨の中、突如姿を消した。事故か家出か、それとも誘拐か。
少女の名は葵。両親は離婚調停中で、母親と姉と3人で暮らしている。そんな葵が豪雨の日、帰宅途中に突然いなくなった。
葵の事件を担当するのは奈良刑事。様々な被疑者が現れる中、事件とは関係ないところで犯罪者のレッテルを貼られ、先生を辞めざるを得なくなった男性教師など、被害が拡大していく。
どうしても本星を見つけなくてはならない状況で、とうとう捜査本部は解散を余儀なくされる。
それでも事件をずっと追っていた奈良の執念が実る時がついにやってくる。
こうした事件は無くならないし、年々複雑化されていくだろう。『誘拐』とニュースで聞くことがあっても、それを自分に照らし合わせることはなかなかない。可哀想とは思っても、どこか人ごとだ。
この物語は、それぞれの心情が伝わってきて、このラストで本当に救われた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2020年12月29日
- 読了日 : 2020年12月29日
- 本棚登録日 : 2020年4月18日
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