すてきな三にんぐみ

  • 偕成社 (1969年12月16日発売)
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感想 : 566
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 これは子どものころに読んだぞ。不気味な表紙でゾクゾクした。 子どもにとっては夜は未知の世界で、怖いんだけど覗き見たい世界。闇夜に浮かぶ赤いマサカリ、これって血の色でしょ。おお〜怖っ!


 そんなこんなで記憶に残っているこの絵本。大人になるといろいろ疑問が浮かんでくる。
 
 以下、心のすさんだ中年男性の感想。
 
 まず三人組が強盗して貯めこんだ財宝の数々。不本意ながらさらってきた女の子に指摘されるまで使い道を考えてなかった。ということは、金品が目的じゃなくて、強奪行為そのものが好きだったってことだ。人を脅し、怖がらせることに快感を覚える。金品はあくまで副産物。
 サディストじゃん!もしかしたらシリアルキラーかもしれない!


 そして、その女の子を皮切りに、次々と子どもたちの面倒をみるようになる。三人組は子どもたちのためにお城を買い、そこで育てた。その噂をきいた人々が自分じゃ育てられない赤ん坊を門前に捨てていった。みんな引き取った。そして長じて大人になった子どもたちは、子どもを産み、育て、その子どもたちもまたお城の周りに家を建て、そこで家族を養った。


 だからこその、”すてき”な三人組なのだが、その資金源はどこからきてる?


 そうなる以前に相当な財を貯めこんだか、もともと裕福な貴族だったか、もしくは自らが手を下さなくても潤沢に資金が流入する仕組みを構築しているかだ。


 もしかしたら麻薬カルテルのボスなんじゃないか。彼らは自らの”ファミリー”には学校や病院など福利厚生を充実させるから。


 コロンビアやメキシコ人の子どもたちがこの本をどのように読み解くか知りたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年6月8日
読了日 : 2016年6月8日
本棚登録日 : 2016年6月8日

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