82年生まれ、キム・ジヨン

  • 筑摩書房 (2018年12月10日発売)
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NHKラジオの番組『カルチャーラジオ文学の世界』で、翻訳家小山内園子氏による『`弱さ’から読みとく韓国現代文学』を聴いている。その中でこの作品が紹介され興味を持った。
『82年生まれ、キム・ジヨン』は、淡々とと事実のみを語る文章であるが、内容はどれだけ韓国の女性が理不尽な状況に置かれているか、彼女らの犠牲で社会が支えられているかなど、偽りのない生々しい韓国の女性の実態が描かれている。
韓国ドラマをよく見るのだけど、先輩後輩の関係は絶対なんだなぁとか、年上の人にタメ口で話すのは相当に失礼なことなんだなぁとか、年上の人とお酒を飲む時は横を向いて両手で盃を持って飲むんだぁとか、日本と比べて儒教の影響が強いという印象だった。韓国の恋愛ドラマはほとんど見ないけど、私が見たドラマを通して映る男女の関係は平等なものだった。労わられ、優先され、大事にされている存在であった。でもこれはあくまでも理想の姿だった。
日本のジェンダーギャプは156ヵ国中の120位である。日本もこの小説の世界と変わらない世界なのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年2月8日
読了日 : 2023年2月6日
本棚登録日 : 2023年2月6日

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