コンピュータといえば、机に向かって使うものだった。
それが今はポケットの中すら飛び出して、環境そのものに散りばめられようとしている。
日常に融け込んでいく万能機械、私たちはそれをどのようにデザインしていけば良いのか。
コンピュータはメタメディアと定義できる。
他のメディアが「テレビ=観るもの」「ラジオ=聴くもの」・・と定義される中で、
コンピュータは何でもできる・メディアを包括するメディアだからだ。
何でもできるがゆえに何をして良いか分からないという初期段階において、
コンピュータ上には現実世界のメタファが適用された。
ゴミ箱があり、フォルダがあり、ファイルがある:GUIの誕生である。
しかし本来、コンピュータは現実には存在しないモノすら実現できる場所だ。
コンピュータが十分に浸透・技術発展によりやりたいことが実現できるようになった現在、
UIについてはメタファを利用しないフラットデザインへと変わり、
Twitterという現実世界にはない概念のサービスが出てきている。
この黎明期に考えなくてはならないのは、どのような指針でモノを設計するのかということだ。
本屋で「デザイン」に関する本が平積みされているのも、
コンピュータの万能性を引き出すために必要なノウハウを得ようとする流れのひとつだろうと思う。
本書はその中でも読むべき!と安心しておススメできる一冊(個人意見)。
「技術的にはすごいのかもしれないけど、おもしろくない」
そういうものを創らないために、手に取るならこの本だと思う。
- 感想投稿日 : 2016年3月10日
- 読了日 : 2016年3月2日
- 本棚登録日 : 2016年3月2日
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