[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
山県有朋に対するイメージが大きく変わる内容だった。
イメージとしては陸軍参謀本部を設置し、統帥権の独立を確立したイメージで後年における軍部の暴走が発生する原因を作った人のイメージが強かった。
しかし、本書で語られる山県有朋は政治家のイメージが書かれており、外交・安全保障で慎重で対米協調を主張していることには大変に驚いたことだった。本書では山県有朋が外交・安全保障で慎重姿勢をとった理由や政党政治を抑えこもうとした理由が見てくる
日中戦争や太平洋戦争へいたる経緯を知っているのであれば、山県有朋が外交・安全保障において慎重姿勢であること、その当時の国民の熱狂を考えれば国民が政治に強く影響を与える政党政治を抑えこもうとしたのも理解できる。
また、目的のためには敵対する人物とも手を組むことを厭わない、現実主義であるということは明治維新という荒れる時代を超えてきた人物ならではの考えだったのだと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年12月22日
- 読了日 : 2016年5月25日
- 本棚登録日 : 2018年12月22日
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