しくじった皇帝たち (ちくま文庫 た 37-6)

著者 :
  • 筑摩書房 (2008年1月9日発売)
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本棚登録 : 71
感想 : 14
4

[評価]
★★★★☆ 星4つ

[感想]
本書では随の皇帝『煬帝』と幸田露伴の『運命』に関する内容となっている。
『煬帝』は一般的には悪逆非道の暴君であると言われているが実際に何を行ったために暴君と呼ばれているのかは、詳しくは知らなかったし、それが事実なのかということも考えたことがなかった。
実際のところ、随の最後の皇帝だから悪く書かれている部分も多いということが分かったし、南北を結ぶ運河は後々の時代まで有効活用されていることを考えると功罪相半ばと言った感じだろうか。
まあ、国家が疲労しているのに大規模な遠征を行ったことは失策と言ってよいのかもしれない。
幸田露伴の『運命』は建文帝の建文出亡伝説について書いた小説で様々な人が傑作と褒め称えていたらしい。
しかし、その内容が漢文の『明史紀事本末』を読み下した内容で、露伴自身の文章はほとんど含まれていないということには驚いた。
著者は明治になり、時代が進むに連れて知識人が漢文との縁が薄くなったということがわかるのが面白い

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月26日
読了日 : 2023年3月18日
本棚登録日 : 2023年3月26日

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