文章の雰囲気はあまり好みではなかった(おそらくYA世代に語りかける形をとっていたため)。しかし、内容は、自分が子どもたちに伝えていきたいと強く思っていることとかなりの部分で一致していた。本書は食育や食について家畜について考えさせる内容である(タイトルはまずそれを想起させる)。しかし、著者のメッセージは後半に描かれる差別問題だと私は感じた。日本特有の差別問題である部落差別に対して「今は知らない人も多い。掘り起こすことで差別につながる」という主張をする人もいる。しかし、わたしはこの著者の考え方に同意したい。知ること考えることでよりよい未来は作られるのだと。知らなかったこと蓋をしたことは決してなかったことにはならない。すべて、すべての物事で。戦争だって70年以上経ったから、もう勉強しなくてよい?そんなことないはずだ。偏見・差別、そしてそこから広がる人間の争いについて、自分が主体となり無くしていきたい。そう思わせる、ある種の希望のある書であった。ただ、忘れないでいたい。自分も常に差別をする心の弱い人間であることを。
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- 感想投稿日 : 2021年1月29日
- 読了日 : 2021年1月29日
- 本棚登録日 : 2021年1月29日
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