自壊するメディア (講談社+α新書)

  • 講談社 (2021年8月20日発売)
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●内調。昨年までのトップは、北村氏と言う警察署の公安キャリア官僚出身の人でした。いわゆる政府や官邸に批判的な市民とか市民団体、またジャーナリスト、メディア、与党、野党内の官僚や政治家、そして学術会議を始め政府に批判的な有識者や研究者、そういった人たちの日々の発言や活動状況こと細かくチェックするのです。
●桜を見る会に関しては、政治団体が差額の約900万円を補填していたことがわかり、また安倍氏が国会で118回も虚偽答弁を行っていたことが確認されました。
●沈黙の山。富山県では、冬場は閉鎖している立山黒部アルペンルートを通年営業にして、山岳リゾートにする「世界ブランド化」構想を石井前知事が掲げていました。地元の人たちは異を唱え、安全性等の面で懸念の声が上がっていた。
●富山市議会の声も活動費不正問題をドキュメンタリー番組を作った。14人がドミノ辞職したんですが、いざ騒ぎがおさまってみると、新人ばかりの議会は活力がなく、結局かつてと変わらない利益誘導政治が復活してしまった。むしろ議員の質は悪化してしまった。
●入管上の問題はローカル局は結構番組にしている。
●「文春方の時代」は、記者クラブメディアの屈辱。記者クラブの中だけでネタをとって、横並びを含めて競い合っていればいいみたいな空気は確かにあった。もはやそれでは世の中から必要とされない。多分新聞記者は、これまでずっと週刊誌とかを下に見てきた。
●かつての政治部記者は、政治家と密接に付き合うけれど、やるときはやる、抜くときは抜くと言う気構えがあった。その緊張関係は政治家も共有していた。

◾️五百旗頭幸男。ドキュメンタリー映画監督。富山市議会の不正問題を「はりぼて」にて2017年に文化庁芸術祭賞などを受賞。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人物・芸能・報道
感想投稿日 : 2022年4月30日
読了日 : 2022年4月30日
本棚登録日 : 2022年4月28日

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