国家の矛盾 (新潮新書)

  • 新潮社 (2017年2月16日発売)
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●政策というものは、白黒どちらかに近いものはあるものの、常にグレーです。全員が納得するような解はそもそも望めない。空想的平和主義と現実的平和主義の対立。
●日本の敗戦を1つの「原罪」として捉える発想。アメリカのロジックに従えば、そちらから先制攻撃を仕掛けてきて総動員の戦争やっているのだから、こちらが持っている武器を全部使うのは当然だろう、となるはずです。だから敗戦を「日本の原罪」として論じる必要なんてないし、日本人は「それはそういう不幸な時代だったね」と解釈しておけばいいと思います。
●安全保障。憲法上、法律上出来るかどうかという議論ばかり。コストや正義の観点から政策としてやるべきでない、という判断もある。
●集団的自衛権は国連憲章で認められた権利で定義がはっきりしている。集団的自衛権と言うと国民が嫌がるから、「個別的自衛権の拡大解釈でいい」などは単なる感情論。
●冷戦末期。アメリカにとって、安保にただ乗りして繁栄している日本が脅威だと言う議論。アメリカの軍人は健全で「独立国の中で基地を置くと言うことがどれだけ大変なことか」と言っていた。
●SEALDsの学生。非常に真面目で、世の中についても考えたいと思っている。でも日常忙しいので、割と軽めの本しか読んでいないし、突き詰めて物事を考えるほどの厳しさを経ていない。
●抑止力の罠。こっちがガードを固めているつもりだけど、そんなにガードを固めたら向こうが気を悪くする。ほら実際に中国も韓国もあんなに怒っているじゃないか。と言う議論。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 政治・政治家・軍
感想投稿日 : 2020年10月7日
読了日 : 2020年10月7日
本棚登録日 : 2017年7月30日

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