お殿様の人事異動 (日経プレミアシリーズ)

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  • 日本経済新聞出版 (2020年2月11日発売)
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●江戸時代は国替えと言う名の大名の移動(転勤)が繰り返された時代。すべての家臣とその家族を連れて移動するものであり、その引っ越し費用は参勤交代に要した費用とは比べ物にならなかった。
●秀吉が家康に命じた国替え。三河、遠江、駿河、甲斐、信濃の領土を取り上げられ、関東への引っ越し
●老中は朝廷や大名に関する事柄、若年寄は旗本・御家人に関する事柄を担当した。譜代だけであり外様大名対象外。大老が1名、老中、若年寄のほか京都所司代1名、大阪城代1名、寺社奉行4〜5名、奏者番(20〜30名)。大老は、主に井伊家酒井家から選任された。
●旅費は支給されるものの、それは当人だけで、家族の旅費は藩士持ちだった。家財道具の輸送費も藩士持ち。結局は家財道具を売り払って引っ越しの費用に充てることになる。
●江戸と上方では主要通貨が異なるため、商取引の際には金と銀を交換することが必要だった。その業務をになったのが両替商なのだが、その立場を活用して商取引に強い影響力を行使し、江戸の経済界に重きを成した。両替商は上方を本拠にするものが多く、上方商人との関係が深かった。
●江戸の治安を預かったのは、江戸町奉行だけではない。火付盗賊改方と言う役職もあった。鬼平犯科帳が有名。夜中に町人たちが取り押さえ、平蔵の家まで連れてくることがあった。平蔵は自腹を切ってそばを振る舞った。彼は上司に嫉妬されて、町奉行にはなれなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本史全般
感想投稿日 : 2021年8月22日
読了日 : 2021年8月22日
本棚登録日 : 2020年4月5日

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