終戦のローレライ(3) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2005年2月15日発売)
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本棚登録 : 1947
感想 : 106
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舞台は、当然ながら第二時世界大戦。それも、日本が敗戦寸前の状態です。
国民も、軍部も、中央政府も、敗戦が濃厚なのは分かり切っている状況。
そんな中で、ある作戦が決行されます。
潜水艦<伊507>である兵器の回収に当たるという任務です。
それは、ローレライと呼ばれる謎の兵器。
そして、<伊507>はローレライをめぐって壮大な旅路に出る。
そこにある『あるべき終戦のかたち』を目指して。

さて、この作品は前半はローレライが中心となって話が進んでいきますが、後半は日本にとっての『あるべき終戦の形』がキーワードとなります。
作品を通して語られるこの戦争の意義、そして日本という国の在り方。
果たして無条件降伏こそが日本のとるべき道なのか、それ以外の道こそが日本を真の意味での敗戦ではないのか。

ぶっちゃけ俺は戦争なんてしたくもないし、起きてほしくもない。
でも、実際はほんの60年前には日本を滅ぼすだけの戦争が起こったんやよな。
この戦争で日本が得て、失ったものは何なんやろうな。
間違いなく日本人の意識の根底にあるものはばっさり変わったんやろうな。
そして、それはきっと今にも影響を与えたあるんやろうな。
もちろんええ意味でも悪い意味でも。

久しぶりに、まじめに戦争について考えさせられた作品です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年1月9日
読了日 : -
本棚登録日 : 2014年1月3日

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