健康で文化的な最低限度の生活(2) (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館 (2015年2月4日発売)
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5

福祉事務所でケースワーカーとして
働きはじめた新人公務員の義経えみる。
生活に困窮している人々を支援することの難しさに悩みながらも、日々、[生活]の最前線で奮闘している。
そんな折、就労支援に取り組む最中で、えみるが担当する阿久沢さんに多重債務が発覚!
一方、同期の七条が担当する岩佐さんも、高い就労意欲とは裏腹に精神的に追い込まれ…
対応に葛藤する新人ケースワーカー達。
彼らにできることは何なのか?
2集では、容易にはいかない“就労支援”の実態と、
騒がれている“不正受給”の、とある一面が描かれる。
医者でもない。警察官でもない。
けれど、[生活]を救える仕事がある!
新人ケースワーカー達の奮闘劇、渾身の最新作!!

多重債務が発覚した阿久沢さんも就労意欲はあるけど夫のDVのフラッシュバックや就労しなければというプレッシャーから抑うつ状態にあることを隠していた岩佐さんも文盲であることがケースワーカーに言えなかった中林は、自らの尊厳を守るためにケースワーカーに多重債務や文盲や自分のメンタルのことを打ち明けられなかった。
そういう生活保護受給者の心をほぐし信頼関係を築いて悩み苦しんでいることを打ち明けてもらうには、こちらの都合を押しつけるのではなく待つこと見守る忍耐強さもケースワーカーに必要なことが、阿久沢さんや岩佐さんや中林さんのケースから分かる。
また生活保護受給者をバッシングするやり玉に上がっていた「不正受給」の大半は、世帯員の申告漏れが原因である。
この巻で取り上げた日下部さんのケースは、まさにそれ。
生活保護受給者世帯の自分は、アルバイトしたら収入申告を知らなかったことが原因。
音楽でプロになりたいというささやかな夢も、ギリギリの生活の中で音楽を楽しむことも、許されない息子の欣也の怒り、ギリギリ生活している日下部さんに徴収金の説明をしなければならないえみる、それぞれが辛い展開の2巻。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月11日
読了日 : 2024年2月11日
本棚登録日 : 2024年2月4日

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