君の膵臓をたべたい DVD通常版

監督 : 月川翔 
出演 : 浜辺美波 
  • 東宝
3.47
  • (56)
  • (88)
  • (103)
  • (30)
  • (16)
本棚登録 : 557
感想 : 133
4

高校時代のクラスメイト・山内桜良(浜辺美波)の言葉をきっかけに母校の教師となった僕(小栗旬)は、教え子の栗山(森下大地)と話すうちに、彼女と過ごした数ヶ月を思い出していく……。
重い膵臓の病を患う桜良が密かに綴っていた「共病文庫」(=闘病日記)を偶然見つけたことから、僕(北村匠海)と桜良は次第に一緒に過ごすようになった。だが、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々は、やがて終わりを告げる……。
桜良の死から12年。結婚を目前に控えた桜良の親友・恭子(北川景子)もまた、僕と同様に桜良と過ごした日々を思い出していた。そして、ある事をきっかけに、僕と恭子は桜良が12年の時を超えて伝えたかった本当の想いを知る……。
住野よるのベストセラー小説を、映画化。
この映画の肝は、浜辺美波演じる山内桜良という女の子の魅力にある。
明るくてクラスの人気者だが、膵臓の機能障害で余命幾ばくもない。家族以外にはそのことを秘密にしている、親友の恭子にも言っていない。それは、自分の余命のことを口にして、親友やクラスメイトの楽しい時間を悲しみで台無しにしたくないという想いからだった。
本当は迫りくる病魔と死期が怖くても、「優しさの死に化粧で笑っているように見せている」笑顔の下に隠し、残り少ない時間を大事にやりたいことをやって生きていく強さと明るさを持っている。
クラスの中で他のクラスメイトと関わらず、桜良が、自分の世界を大事に生きている「僕」と「共病文庫」を通して関わるようになり、強引で明るく「僕」を桜良が「死ぬ前にやりたいことリスト」を実行していくのに付き合わせていく中で、「僕」が桜良をかけがえのない存在のように想い気持ちを重ねていき、桜良のために病室に忍び込んだりするなど他者と関わり生きていくようになっていく変化が、力強く瑞々しい。
どんな時も前向きで生きることを大切にする桜良の「私も君も1日の価値は同じだよ」「好きなのに嫌い、楽しいのに鬱陶しい。そういうまだるっこしさが、人との関わりが、私が生きていることの証明だと思う」などの、価値観を振り返りたくなる名言に、人生がいとおしくなる。
博多旅行や病室で、「真実と挑戦ゲーム」をしたり、お互いの距離感と気持ちを探りあっているような「僕」と桜良の、お互いをかけがえのない存在と思っている同士の、友達以上恋人未満な関係にドキドキキュンキュンさせられる。
クライマックスに「共病文庫」と図書館の本に隠された宝物で明らかになる桜良の「僕」と親友の恭子に残した本心、そして「君の膵臓を食べたい」という言葉に秘められた真意は、映画を見た人が親しい人との繋がりをいとおしく改めて思うもので、温かい気持ちになる傑作青春ラブストーリー映画です。
「透き通るほど真っ直ぐに明日へ漕ぎ出す君をみて、眩しくて綺麗で苦しくなる。暗がりで咲いてるひまわり、嵐が去ったあとの陽だまり、そんな君に僕は恋してた」
「himawari」Mr.Childrenより

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月20日
読了日 : 2023年1月20日
本棚登録日 : 2023年1月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする