『テンペスト』の世界を舞台にした捕物帖(?)。琉球王朝の商都、那覇の街を、筑佐事であり三線の名手でもある武太が駆け抜ける。一章につき一人以上は『テンペスト』の登場人物が顔を出してくれるのも、サービスとして楽しい。
捕物帖の常として短編集なのだけれど、推理・逮捕が目的ではなくて、琉球の民の哀歓を武太が見聞きし、唄に昇華するのが物語の核になっているのが面白い。
『テンペスト』を読んだときにチラッと思ったとおり、この人は短編の方が巧い。しかし『テンペスト』を読んだときに不満に思ったとおり、会話がくだけすぎていてイヤだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2010年11月24日
- 読了日 : 2010年11月15日
- 本棚登録日 : 2010年11月24日
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