カヴァンが見ているのは自身の願望と恐れだろうか。
閉じ込められた狭い場所から世界中へ、果ては宇宙までと空間を広げ、またもとの場所に戻ってしまう。その繰り返しだ。
先日読み終えた『氷』と重なる箇所がいくつも見られるが『氷』という作品への感じ方が少し変わったというか広げられた。
カヴァンはヘロインで仮に自分を消滅させることで生に留まっていたように思える。車とスピードという凝縮された時間も一種の麻薬のようではあるが、それは唯一肯定的な生であったのかな。
彩りが違って好きなのは「ある訪問」
登場する豹に安心感があるから。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学 イギリス
- 感想投稿日 : 2020年12月9日
- 読了日 : 2020年12月9日
- 本棚登録日 : 2020年12月9日
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