論文を書いてたこともあり、約半年間いわゆる自己啓発書を読まずにいた。そろそろ一般的な本(本書は自己啓発書ではない)でも読もうか、と積読状態の中から抜き出したのがこれだった。表題にインパクトがあり読むのを躊躇していたが、手にとって後悔はしなかった。
シニカルな事例がふんだんに用いられたメイロマ節は、常に読み手に対して緊張感を与え、終始飽きさせずに最後の結論にまで導く。著者のように、幅広い学識と経験がなければ、このような主張は難しいと思う。
自己啓発書の類型化は、自己啓発書を網羅的読まないとできない分析であり、後続の読者に示唆を与えるだろう。私は説教系をよく読んでいたと振り返った。当時は誰かに教えを説いてほしかったのだろうか。理由は本文に書いてあるように、「経済的な不安と恐れ」が漠然と頭に過ぎり、カンフル剤を打つ感覚だった。
むしろ本書で重要なのは、第3章の著者による労働観にふれることだろう。前著でふれていることもあるかもしれないが、体験に基づいた国際比較からは、日本に住む我々が多くの異なる環境・習慣に在ることに気付く。個々人考え方を変えることは、順を追って検討すれば可能だと思う。しかし、所属コミュニティが持つ慣習・雰囲気が変わるには、多くの問題を除去する必要がある。構成メンバーが相当入れ替わらないと無理だと思う。だとすると各人のすべき行動は自ずと決まってくる。本書の最終項が参考になるだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
自己分析
- 感想投稿日 : 2014年1月8日
- 読了日 : 2014年1月8日
- 本棚登録日 : 2014年1月8日
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