本書は、ヨーロッパ、特にイギリスを「中心」に、重要な史実を関連付けて、システム論という大括りにされた視座で解説がなされている。高校の世界史の授業で扱われたかすかな記憶が線で繋がったようだった。世界システム論の核となる「中核」と「周辺」の概念は、世界の大学の発達過程や、日本国内の大学間の関係を理解するときに活用できよう。例えば、中核となる大学はその機構を強化しつつ、周辺の大学は「大学間連携」の名のもとに当該大学を溶融させようとする効果が企図されている、というように仮定することは言い過ぎだろうか。また、著者は植民地が製品・商品の「生産地」であると同時に「社会問題の処理場」だった側面があるとしているが、これも国内の大学事情に無理やり当てはめると、思い当たる事象があるだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2017年9月7日
- 読了日 : 2017年9月7日
- 本棚登録日 : 2017年9月7日
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