自閉症の子供と母親の物語。
子どもが生まれ、育てていく過程で、親はいつでも何らかの不安を感じるもの。この親子においては自閉症という障害もプラスアルファとして加わる。
子どもが生まれ、成長する中で自閉症ということを知ったばかりのころ、主人公(母親)は障害に対し消極的になり、内に閉じこもっていく。家庭までが壊れそうな中、仲間や理解する人たちと出会う事で、現状を肯定し、積極的に社会とかかわり生きていくことができるようになる。その主人公の姿に感動する。
人と感じ方、考え方が違う、社会の通念から外れることは、相当の生きづらさを感じるもの。
そのような現状の厳しさをきちんと見つめ、悩み、迷いながら、気づきを得、どこにでも居る弱い人間である主人公が、困難に立ち向かっていくようになる。
ヒロイックに描かれるわけでもなく、着実に地道にひとつひとつの困難をクリアしていく。
人生を肯定する力、それはタイトルにもある「光」を見出だすということなのではないだろうか。(「光」は子供の名前でもある。)
周りに理解してもらうこと、偏見をなくしていくことは、大きな一歩であり、広く自閉症というものを知ってもらうことは重要。この漫画は啓蒙的な面でも大きな働きをする。
小難しい話でもなく、少女マンガや、昼ドラの王道のような、人間関係のことも書かれていて、物語を身近に感じられるように構成されているところがなかなか技あり。
広く読まれてほしい本です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年12月23日
- 読了日 : 2017年12月23日
- 本棚登録日 : 2017年12月16日
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