コミック版との違いが気になったので購入。
コミック版と同じく熱量が伝わる作品でした。小説版では小説家になろうとする「僕」と周り、そして投稿された小説に関わる人物たちを書いていました。どいつもこいつも出てくる登場人物全員が才能に振り回されながらもあくまで「小説」を中心に人生回していってる小説バカどもでした。
コミック版のあとがきで入間先生が語っていた結末通り、小説らしい終わり方。あえて「僕」の結果を教えず、書ききったところで作品自体が彼から離れていく。なんとも歯がゆい展開だが、この小説の表題作である「バカが全裸でやってくる」からすれば別に結果なんて宙に浮いたって関係ないかと見終わったあと妙に納得してしまいました。
「僕」の話が終わったあとは他の「小説バカ」たちの話。コミック版では語られなかった「バカ」の背景設定、小説バカの連なりではないが。その業界でしか生きられない人間にとって自分を裸にして隅々まで切り売りしなきゃ生きていけない、そんな他人の全裸をみてどう思うか、壊れる?自分も全裸になる?どんな結果になろうともバカであり続けることでしか「自分」は生かせられないんだ。みたいな印象を文章から受けました。
こうして読んでみれば、井田ヒロト先生がコミカライズしてくれて大正解な作品だったと思う。見せ方は違えどこの作品の熱量をそのまま伝えていた。入間人間先生の作品はこれ以外読んだことがないければこの作品は甚く気に入ってます。別作品も手にとってみようかな。というかやっぱバ◯マンとは全然方向性違う作品じゃねぇか!
- 感想投稿日 : 2013年2月19日
- 読了日 : 2013年2月19日
- 本棚登録日 : 2013年2月19日
みんなの感想をみる