生麦事件(下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2002年5月29日発売)
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薩英戦争に下関砲撃。雄藩と列強。勝ったものと負けたもの。けんかして仲直りして、親交を深める。思想と武器。古いものを捨て、新しいものを取り入れる。変化を受け入れるもの、拒否するもの。物語は倒幕まで続く。記録を掘り起こすような淡々とした文体の中に臨場感を見出す。西郷隆盛、大久保利通、大村益次郎、木戸孝允、高杉晋作、そして、坂本龍馬。ヒーローたちが登場するが長くは叙述されない。歴史の主役は一人ではない。愚かさあり、英断ありで時代は明治へと移り変わる。そして今へと続く。ありがちな歴史ドラマとは違う世界観を味わう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 吉村昭
感想投稿日 : 2022年10月5日
読了日 : 2022年11月5日
本棚登録日 : 2022年10月4日

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