アントキノイノチ (幻冬舎文庫 さ 8-8)

著者 :
  • 幻冬舎 (2011年8月4日発売)
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本棚登録 : 2801
感想 : 410
5

地球っこさんのレビューを見せていただき、是非読みたいと思った一冊。

悩み苦しむ杏平が周りの人に接しながら「生きる」ことを考える。
途中は読んでいて苦しくなるところも沢山あったけれど、最後は素晴らしい読後感。
杏平くんもお父さんも佐相さんもとても素敵。
雪ちゃんは本当にすごいと思う。
「生きる」ということはずっと考えてきたように思っていましたが、これを読んでまたヒントをもらったように思いました。

解説では遺品整理の吉田さん、佐相さんと著者のさだまさしさんはずっとつながっていて、3人ともこの世界をよりよき世界にしたいと思っている、とそのことにつきるような気がします。


メモ
父から息子へ
「イジメかって訊いたのはね、逃げるんだったら、どんどん逃げろって言おうと思ったんだよ。僕はどこまででもつきあうぞ。いや、原因が・・・そういうのじゃなきゃいいんだ。学校なんて命懸けて行かなきゃならないような場所じゃない」

六根清浄

人と人をつなぐ仕事。子と孫をつなぐ仕事、迷子になった「愛」を宛名の人に伝える仕事。故人が届けられなかった何かを届ける仕事。それでも、僕らの役目はただ一生懸命に部屋を片付けること。

緘黙症

「うん。命ってすごいね。生きているだけで、すごい、と思う。私ね、老人ってホントにすごいと思う。だってね、ずっと生きていないと老人になれないんだよ。なりたくてもなれない人の方がずっと多いんだよ。いろんな、それこそ沢山の苦労をしていきたっていうだけで老人は尊い、と思わない?私は素敵なお婆さんなりたいなぁ」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 生き方
感想投稿日 : 2020年9月17日
読了日 : 2020年9月17日
本棚登録日 : 2020年9月10日

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コメント 4件

地球っこさんのコメント
2020/09/18

いるかさん、こんにちは。

素敵なレビューです。
「生きる」ことについて考えますよね。「生きる」ことがすごいことなんですよね。
メモされた言葉は、わたしにとってもどれも印象に残る言葉でした。
なかでも、ゆきちゃんの「生きているだけで、すごい、と思う。」は、ゆきちゃんの強さが表れていて、深く考えました。

ああ、しみじみします。
ありがとうございます、いるかさん!

いるかさんのコメント
2020/09/18

地球っこさん 
素敵なコメントありがとうございます。
ゆきちゃんの強さ、すごいですね。
これを書かれたさだまさしさんもすごいとおもいます。
ずいぶん前に何度かさださんのコンサートに行ったことがあります。
優しい口調なのに人間の強さを感じました。

そして、今 「星野道夫著作集 5巻」が届きました。
本当に本自体が星野さんを表しているようで、眺めているだけで幸せになります。
これは時間をかけてじっくり味わいたいと思います。

いつもありがとうございます。

地球っこさんのコメント
2020/09/18

いるかさん、お返事ありがとうございます。

さださんのコンサートで歌を聴かれたことのあるいるかさんなら、なおさら「アントキノイノチ」に込められた、さださんの想いが伝わってきたことでしょう(*^^*)

そして、星野さん。届きましたか!
そうです、見たり触れたりするだけで幸せになりますよね。
そう、ゆっくり読んでいきましょう。

わたしも何度も読み返します……

いるかさんのコメント
2020/09/18

地球っこさん ありがとうございます。
こうして読書の幅が増え、自分だけでは到底出会えなかった本に出会えたのは地球っこさんのおかげです~。
プロフィールのところの地球っこさんの好きな本を見せていただきました。
知らない本が沢山。
また、参考にさせていただきたいと思います。
本当に感謝です。。

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