サラの鍵 (Shinchosha CREST BOOKS)

  • 新潮社 (2010年5月30日発売)
4.28
  • (124)
  • (107)
  • (32)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 822
感想 : 159
4

二人の女性の物語。
どちらも自らの選択によって自分自身を壊され、
がらんどうの自分を抱えることになる。
そこからの再生への物語。

そのためには向き合わなければならない。
守るために沈黙することは、
苦しみを引き延ばすだけで、
その絶対量は変わらない。

そして自分の力で変わり切れないとき、
思いもかけない方向から変革者はやってくる。
それはその者の姿を借りた、
運命そのものなのではというほど圧倒的な力で来る。

大事なことがもうひとつ。
片方の主人公が当事者ではないこと。
その彼女が人生をやり直すことの意味。
それは読者である私たち自身にも
同じ「人間」たちとして無関係と逃げることは
許されないということなのではないだうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年2月10日
読了日 : 2022年2月10日
本棚登録日 : 2022年2月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする