晏子の4巻を通じて登場する崔杼が没落するところに関する晏纓の論が興味深かった。荘公への憎しみが深いほど手厚く葬り、自身の幻影を見せれば、死ぬことはなかっただろう、ということである。それだけ荘公への憎しみが深かったということであれば、そのために崔杼は死んだということだ。ここに、学びがあった。強い憎しみだけで行動してはいけない。
季札から晏纓への助言も興味深い。危ういバランスをとっている閣内において、職位を返上し距離をとることで、政争に巻き込まれないようにアドバイスしている。これは非常に重要なことだと感じた。正道のない嵐が巻き起こっているときは、距離を置くのが吉と出る。
あとは、和と同の話か。
話は例えるならスープ。火と水が合わさって、美味しいスープができて飲むことができる。同は水と水、合わさっても生み出されるものはない。王が言うことを察して、答えるだけでは、同であり諫めたりさらに深めたりすることが和であると理解した。
自分が人を用いる立場にあっても同ではなく、和を大事にするようにしたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年12月1日
- 読了日 : 2021年11月30日
- 本棚登録日 : 2021年11月27日
みんなの感想をみる