中国思想を考える: 未来を開く伝統 (中公新書 1120)

著者 :
  • 中央公論新社 (1993年3月1日発売)
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感想 : 13
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「塞翁が馬」について日本と中国で解釈が違うというのは、目から鱗でした。

確かに、日本では、人生の幸不幸が変わりやすいことの例えとして受け止められています。骨折した息子について「幸いのもとになるかもしれない」と言う翁は、人生の移ろいやすさ・当てにならなさを知り尽くして、達観した人物というわけです。

これに対して中国では、損害を受けてもまたそれで良いことが得られるという例えとして受け止められているとのこと。ここでは翁は、陰中に陽あり・陽中に陰あり、を確信している人物ということでしょう。

言われてみれば後者の考え方も理解できますが、言われなければ思ってもみなかった。中国思想は、日本人にとって近くて遠い東洋思想というところでしょうか。

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感想投稿日 : 2021年11月9日
読了日 : 2021年11月23日
本棚登録日 : 2021年10月31日

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