動きが続く情感と異なり、下巻は視覚に訴える形でありつつ全くポルターガイスト現象の誌面というか画面。124番地が霊の棲み処という設定の信組委がこれでもかというほどに読み手に突き付けられてくる。
コルソンホワイトヘッドの名作「地下鉄道」のエネルギッシュでありながら秘めた熱情が背後に流れて浮かび上がってきた(124番地自体,乗車場というイメージも)
そして「青い眼が・」で経験済みとはいえ読み手の感情のエキス迄搾り取るような激しいモリスンの技巧がビンビン続いて行く。
違った意味で「平和な国であり国民である」日本人、そして私には200年余の黒人奴隷の差別と屈辱の日々を体得するのは不可能だ。
しかし「愛されしもの・・ビラヴド」という少女の幻想を通じて実際に起こった地面を土台にした形の凄さは満喫できた(訳者の素晴らしい邦語にもよる)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
哲学・思惟的
- 感想投稿日 : 2024年3月10日
- 読了日 : 2024年3月10日
- 本棚登録日 : 2024年3月10日
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