心 クリーン・オネスト・ビューティフル

著者 :
  • 毎日新聞出版 (2016年7月23日発売)
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伊藤忠商事の元社長で、中国大使も務めた丹羽宇一郎氏の著書。

伊藤忠商事創業者である近江商人の伊藤忠兵衛や、近代資本主義を研究したマックス・ウェーバー等の思想を引き合いに、商いを行う上で、クリーン(清)・オネスト(正)・ビューティフル(美)、という「心」の大切さについて語っている。

商いという言葉を聞くと、どうしても相手との腹の探り合いとか、一円でも多く搾り取りたいとか、弱肉強食的イメージが浮んでしまう。しかし丹羽氏が唱えるように、金銭に替えられないモチベーションや仲間との感動の共有など、正しい「心」持つ事により人間味溢れる営みとなる。

もちろん商売である以上、利益が無ければ会社は成り立たないのだが、本書で述べられている「心」が有るのと無いのでは、大きな違いがあるのではないだろうか。戦後も高度経済成長も遠い過去となってしまった今、日本人には「心」の成長が必要なのだと思う。

経営者クラスのオジサンたちはもちろん、これから時代の中心となる若い人に読んでほしい一冊である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2016年9月4日
読了日 : 2016年9月4日
本棚登録日 : 2016年8月18日

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