コンビニ・ララバイ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2005年6月25日発売)
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本棚登録 : 1988
感想 : 286
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日々コンビニに通いながら、他人の顔や行動にまで一々目を凝らしてはいません。今日も頑張ったと達成感もあれば、涙を拭って来た人、人を殴った後に籠を持つ手もあれば、ほんの数百円が空き缶の代わりなんてこともある。
本当に大切なもの1つ守る為ならば、殆どのものを捨ててしまえるような気がするのです。守る難しさに比べたら、捨てることなど痛くもないのだと私は思います。
大事なことは、素敵なことは、悲しみですら、言葉で伝え伝わるものだと思っていました。でも大切に想う気持ちがあるならば、向き合った瞬間から、見えない聴こえない声でも、ちゃんと体の真ん中に入って来るのだと思いました。
涙が頬を伝う音を想像したのも初めてでした。
許すことも愛だと、教えてくれた人がいました。本物の愛があれば…許せないことなど存在しないのだと、教えられた気がします。
踏みつけられても花は花で美しく、血を流しても人は生きている限り温かい、間違いを間違っていると叱る勇気、正しいことだけが人を幸せにするのではない、私はそう思うのです。
こんな風に考えることも、生きている悩みであり、生きている素晴らしさなのかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年11月20日
読了日 : 2018年11月20日
本棚登録日 : 2018年11月20日

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