ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業〔下〕(ハヤカワ・ノンフィクション文庫) (ハヤカワ文庫 NF 379)
- 早川書房 (2012年2月9日発売)
正義を考えるためには善を考えることが必要。
善を考えるためには「原理と具体例を相互に往復しながら考えていくというアプローチを取るべき」
by ロールズ(反照的均衡)
カントの考えでは、人間が自律的に行動していると言えるのは、義務という名の下に何かを追求している時だけで、自分の個人的な利益のためではなく義務のために、何か善い道徳的な行為をしているときだけ。
その行為は自由から生じている。
なぜなら強制されたのではなく、道徳法則を受け入れることを自分で選んだから。
道徳法則は主観的な条件に左右されないので普遍的な法則である。
純粋理性とはどんな外部条件にも左右されず自分自身に適用されるもの。
「正義の原理は、仮設的契約から最もうまく導かれる」by ロールズ
「すべての正義は差別を内包する」byアリストテレス
アリストテレスの考え方は
「目的論的道徳理論」という考え方
目的、目標から論理を組み立てる
アファーマティブアクションへの反論を「大学教育にふさわしい目的や目標とは何か」という問いに置き換えることは、目的論的道徳理論の考え方
アリストテレスの政治論
政治とは、善い人格を形成すること、市民たちの美徳を高めること。つまり、善き生をもたらすもの。
カントやロールズの政治論
政治は私たちを善くするものではなく、私たちが善や価値、目的を選択する自由を尊重し、他者にも同様の自由を認めること。
コミュニタリアニズム
「自己というものは、ある程度までその人が属するコミュニティや伝統や歴史によって規定され、負荷をかけられている存在である」という考え方。
負荷ありし自己
コミュニタリアニズム批判
「責務が、そのコミュニティの構成員というアイデンティティによって定義されてしまったら、責務どうしが対立したり、重複したり、競合したりするかもしれない。そこに明らかな原則はないから」
- 感想投稿日 : 2023年5月7日
- 読了日 : 2023年5月2日
- 本棚登録日 : 2023年5月2日
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